北陸地方の特産物はブリです。この地方では冬の時期の大荒れの日のことを、ぶりおこしといいます。そして、この日を過ぎると、ブリ漁が始まります。油ののったブリは味も形もすばらしいのですが、特に富山湾の氷見のブリは最高級品として有名です。富山の郷土料理は「ブリ大根」があります。大根の輪切りを米のとぎ汁で煮ておいたものを鍋にいれ、水を入れて煮ます。そこに、ブリの頭、骨、内臓などのあらのブツ切りを塩水で洗い、熱湯にとおしたものを入れ、酒と味噌を入れて煮込みます。食べる時は千切りしょうがをのせます。富山では「ブリの照り焼き」も郷土料理のひとつです。
石川県金沢の特産物もブリで、郷土料理は「かぶら寿司」です。2センチくらいの輪切りにしたかぶの半分に切り込みを入れ、容器の中に、塩、かぶの葉、かぶを交互に入れ、重しをして4日ほど漬けます。塩漬けにして1週間ほどおいたブリを水洗いし、薄切りにして酢に漬けます。炊いた米に麹をまぜて1晩おきます。昆布を敷いた容器の中に、かぶの切り込みにブリをはさんだものと米麹を交互に入れ、重しをして2週間ほど漬けます。
福井県の郷土料理には「芋あべかわ」があります。お餅が食べられなかった時代に、片栗粉とつぶしたジャガイモを餅のようにしてきな粉をまぶし、あべかわもちのようにして食べたのが始まりです。
ブリづくしの北陸地方
山梨県のほうとうは武田信玄の陣中食
山梨県の特産物はかぼちゃとほうとうです。武田信玄が陣中食として考えだしたと言われている「かぼちゃほうとう」は、代表的郷土料理として人気があります。味噌味の汁に小麦粉を練ってつくった4センチくらの幅広の麺を入れ、かぼちゃ、ニンジン、大根、サトイモなど季節の野菜と一緒に1時間ほど煮込み、食べる前にしめじとネギを入れて少し煮ます。食べ残したツユにご飯を入れて食べるのもおいしいです。
長野県の諏訪湖の特産物はわかさぎです。冬の諏訪湖は、わかさぎ釣りでにぎわいますが、郷土料理は「わかさぎの3色あげ」です。水洗いしたわかさぎの水気を拭き取り、塩と酒をふります。3色あげの1色目は片栗粉をまぶしたわかさぎを揚げたもの、2色目は水溶き片栗粉をつけたわかさぎにきざみ海苔をつけ揚げたもの、3色目は水溶き片栗粉をつけたわかさぎに七味トウガラシをつけたものを揚げたものになります。
米どころ新潟県の特産物は米です。郷土料理には、上杉謙信が戦時中に兵糧として持っていったおにぎりを、剣の先にさして焼いて食べたことから名づけられたという「けんさ焼き」があります。おにぎりを作り、焼き網の上に乗せてじっくりと焼きます。すりおろししょうが、味噌、砂糖を混ぜた、しょうが味噌を、焼きおにぎりの両面に塗って焼き、焦げ目が少しついたら出来上がりです。
こんにゃくのふるさと茨城県
江戸時代後期に茨城県の久慈で中島藤右衛門という農民が、特産物のこんにゃく芋から長期保存がきいて、軽量化できる粉こんにゃく製法を発明しました。これはやがて日本全国に伝わっていきました。久慈の郷土料理は、茹でたこんにゃくを酢醤油に漬けて食べるシンプルな「さしみこんにゃく」や、味噌、砂糖、酒、みりん、しょうが、からしを弱火で煮た田楽味噌を茹でたこんにゃくにのせてたべる「味噌田楽」があります。また、常陸太田の特産物にはフリーズドライしたこんにゃくの「凍みこんにゃく」があり、これを使った郷土料理に「凍みこんにゃと鶏皮煮」があります。凍みこんにゃくを水でもどし細切りにしたものと、鶏皮の細切りを鍋に入れ、しょうゆ、みりん、酒、しょうがで煮込み、白ネギの小口切りをちらして食べます。
栃木県の特産物はかんぴょうで、郷土料理は「かんぴょうのたまごとじ汁」です。かんぴょうを水に入れて塩をかけて、よくもんだ後、水洗いし、お湯で茹でます。煮たてただし汁に、細切りしたかんぴょうと、とき卵をゆっくり注ぎ入れます。群馬県の片品地域では花いんげん豆が特産物で、「花いんげんの白煮」は、お正月などの行事やお祝い事に欠かせない郷土料理です。
江戸時代から人気の深川めし
東京に隣接した神奈川県茅ケ崎の特産物はしらすで、郷土料理はふわふわした釜あげしらすがおいしい「しらす丼」です。どんぶりにご飯を入れ、きざんだ大葉、釜あげしらす、きざみ海苔とすりおろししょうがをのせ、酢醤油をかけて食べます。今は埋め立てられてしまった東京の深川ですが、昔はアサリが特産物でした。深川の郷土料理といえば「深川丼」です。アサリのむきみをだし汁で煮て、斜め切りにした長ネギ、油抜きして千切りにした油あげを入れ、みそ、酒、みりんを入れたものを、どんぶりに入れたご飯にのせ、みつばをちらします。本来の深川丼には、江戸時代からある江戸味噌が使われていました。米麹味噌で、大豆と米を同じくらいの量使うので甘口の赤い味噌でした。江戸味噌は深川丼だけではなく、同じく東京浅草の郷土料理である「どじょう鍋」にも欠かせないものでした。
最近ではミシュランにものり、外国人観光客も増えている東京のはずれにある高尾山の郷土料理は「とろろそば」です。もともと薬王院の参拝客のために、滋養強壮にきくというとろろを、そばの上にのせて出したのが始まりといわれています。